家畜市場視察

大屋誠

2017年12月07日 13:12

木曽町の長野県中央家畜市場で仔牛を中心とする競り市が本日開催されましたので視察に伺いました。。
セリは木曽官材市売で木材のものを何回か拝見させていただいておりますが、畜産農家の方から「家畜の競り市を是非見に来て」というお話を頂き、初めてという事もあり、非常に楽しみにしていました。
木曽町伊谷地籍にある"長野県中央家畜市場"の会場に着くと、生産農家の皆さん、競りに参加する方、競りを行う全農の皆さんなど寒風が吹く中にも関わらず、吐く息が白く熱気に包まれていました。





競り会場は、既にほぼ満席となっており、滋賀(近江牛で有名)や富山、静岡など全国から来た皆さんが午前10時の開始を待っていました。



二ヶ月に一度の偶数月に行われるセリですが、今回は今年最後でもあり、494頭という牛が競りにかけられるとのことで、何時もより多いそうです。
今年の2〜4月に産まれた仔牛が中心で、農家の皆さんが丹精込めて育てて来た仔牛が次々とセリにかけられ、落札価格が決定されます。
セリ人から番号が読み上げられ、身体の特徴(片耳が割れてる、皮膚の治療中など)も後々のトラブルを防ぐ為に詳細に読み上げられます。セリ落とす方には事前に資料が郵送されており、参加者は父親の血統、母親の父(祖父)の血統などが記された内容を吟味して金額を決定します。父親の血統が大事で、この点が落札価格に影響するそうです。



セリ人が長年の勘を頼りに最低価格を設定してはじまります。セリ参加者は、落としたい場合は手元のボタンをずっと押し続けます。電光板に1、2、3の表示があり、3人、2人で競っているということがリアルタイムで分かります。その間は時間にして約30秒ほどですが、生産農家の皆さんに取ってはドキドキの瞬間だと思います。この緊張する時間が長ければ長いほど落札価格が上がるのですから。
(写真は111万8千円の落札)


(農家だけなく高校や大学などで育てられた仔牛もセリにかけられました。農業高校の女子学生は特別に挨拶をしていました。これによってご祝儀で上がったかもしれません)


先日のNHKのニュースで和牛の価格が高騰しているとのことでした。上がって行くことは農家にとって嬉しい反面、あまり上がりすぎると消費者離れを引き起こしかねないというジレンマがあります。
高騰の要因は、今まで"サシ"などあまり好まなかった外国の方が食べるようになったなども言われおりましたが、一番大きな要因は、個人でやっていた仔牛の生産農家が高齢化により飼育数が減って来ているという指摘もあるました。
こうした事から大規模化などを模索する動きもあるようですが、これからの展開をしっかりと皆さんと話して支援して行く必要が有ると思いました。
高橋組合長さん始め皆さん有難うございました。


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