観てきました!信州に伝えられた農村歌舞伎の芸

大屋誠

2019年02月11日 09:58

上松町も後援している信州農村歌舞伎祭が伊那市で行われ、それぞれの地域に伝わってきた地歌舞伎の魅力を堪能して来ました。
この歌舞伎祭は平成19年に第一回が行われ毎年この時期に行われて来ています。当町の上若連の皆さんが第二回の佐倉惣五郎子別れの段、第三回横川勘兵衛徳利の別れと出演しています。
信州に歌舞伎が伝えられて来たのは江戸時代末期と伝えられています。歌舞伎を演じたり、観たりするのは当時の人にとっては数少ない楽しみであったと思います。
上松の横川勘兵衛は芸題(げだい)としては大歌舞伎にもない芸題と聞いたことがありますし、大鹿村の「六千両後日の章 重忠館の段」は当地しか伝えられていないものだそうです。六千両とは千両役者が六人も出演する豪華なものという事でお聞きしたことがあります。
なかなか、伝えて行くことが難しいものがあり、実際に地域で一旦は途絶えてしまったということもあるようですが、皆さんの熱意によって復活したり、脈々と伝えられてきています。
木曽からは南木曽町の田立子ども歌舞伎の皆さんが「絵本太功記十段目 尼崎閑居の場」を演じました。皆さん小学校五年生から六年生ということでしたが、一時間半の長い演目を熱演していました。
演目の途中の盛り上がった時に硬貨を白い紙で包んだ"おひねり“が舞台に舞うなど田舎に愛されてきた歌舞伎らしい雰囲気もあり皆さん楽しんでいました。
毎年楽しみにしている人も多いようです。同じ演目でも団体によっての味も違い面白いものです。是非、一度は皆さんご鑑賞なさっては如何でしょうか。
△大鹿村歌舞伎保存会の一谷嫩軍記 須磨浦の段です。源氏の武将熊谷直実と平家の平敦盛との戦いにおける直実の葛藤と敦盛と玉織姫との恋などが散りばめられています。





△田立子ども歌舞伎の皆さんの舞台、普段と違う歌舞伎独特の言い回しなど稽古は大変だったと思いますが長丁場の演目を無事終えました。途中で セリフが出て来なかった時に観客席から激励の華"おひねり“本当に沢山上がりました。これも地歌舞伎のいいところでしょうね。







ちなみに歌舞伎のセリフは流れている時は良いのですが、何でもない時に詰まると出て来ません。私も一応経験者です。

△上若連の出演した時の写真がパネル展示されていました。





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