初雪

大屋誠

2020年12月15日 04:37

 いよいよ冬将軍がやって来ました。今週は北日本を中心に雪模様の様で、見上げる駒ヶ岳も白いベールに包まれています。
 スキー場も待ちかねていた本格的な雪ですが、いつもなら雪不足を心配する年末年始ですが、今年はその様な心配は無さそうです。しかしながら、コロナ禍の中、推し進めて来た“go to トラベル”が全国的に見直され、一時中止と政府は判断しました。
 様々な意見はありますが、アクセルとブレーキを一緒に踏むと車はグルグル回って迷走状態となる事は当然です。危機管理は難しいもので、絶対的な正しい答えを探すのは時に勇気がいるものです。
 今、医療機関が本当に大変な状況になっています。感染しても無症状の人から人工肺のエクモを使わなければ命を繋げられない人まで、今回の新型コロナはそういう意味で厄介なウイルスです。
 看護師不足が叫ばれています。重病者を専門的に治療する施設を作った自治体もありますが、24時間支える医師などのスタッフの人的体制が不足する事は明らかであったと思います。とりわけ、看護師については普通の時でも足りないのに。
 看護師についても不足していますが、あまり一般的には馴染みが薄い『臨床工学技士』という皆さんも今大変なのではと思います。エクモや普通の様々な医療機器、例えばオペ室の機械類は命を守るためには正常に動く事が絶対です。
 患者さんとの直接の接点はなかなか無い様ですが、機器が正常に動く事が命を守るという使命感が無ければなりません。看護師さんも24時間体制ですが、この職の人もきっとそれに近い形で働いていると思います。病院内でも人数が少ないから余計に負担がかかっているのではと心配しています。
 その他、24時間支えている臨床検査技師、薬剤師など、普段は見えない皆さんが懸命に働いています。
 よく地域の皆さんから「近くの病院は嫌だ」とか「私(俺)は、都会の有名な大学病院に行ってる」からという様な事をお聞きする事があります。確かに病院を選ぶのは自由ですし、専門的な診療を望むのも自由です。
 しかしながら、今回の新型コロナ感染で分かった事の一つに身近な地域医療を支える病院がいかに大事かという事です。
 以前にも書いた覚えがありますが、救急車で仮に近くの病院に緊急搬送された時、通院歴が無い、或いは、長い間受診していないとすればカルテが無い、記載が無いことになり、時間との戦いの中で助かる命も助けられない事になります。
 昔、当地域の病院に緊急搬送されて来た患者さんの付き添いの家族の方が「何でこの病院は検査が直ぐ出ないんだ!」、「いつも行ってる〇〇病院は早い!」、「だからこの病院はダメなんだ!」と罵声を浴びせる事もありました。家族の容態が気にかかるにしても、そうした言葉を聞いても黙々と目の前の命と向き合う医師、看護師、検査技師などの技術者がいる事を忘れないで欲しいと思います。
 医師会などが現場の声がようやく届いた感がありますが、安全なワクチンが届いたら、医療従事者に優先的に摂取して安心して受診、入院出来る体制が出来れば、気持ち良く旅行が出来る日が来ると思います。
 その時には医療従事者に温泉付き宿泊旅行券をプレゼントする様な粋な計らいは如何でしょうか。
△再登場のこんな時でも明るい看護師さんです。



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