一刻も早いご快癒を

大屋誠

2021年08月06日 04:28

 昨日、町内の赤沢自然休養林内において観光客の方が子連れの親熊に襲われて負傷するという事案が発生しました。負傷された方には心よりお見舞い申し上げますとともに、一刻も早くご快癒されますことをご祈念申し上げます。
 昨日、発生の第一報を受けて出張を直ぐに切り上げて役場に戻り緊急事案の対応に当たりましたが、お一人で来られたとの事で猟友会、警察、職員が現地を調査しましたが経過等が現在も詳細は不明です。
 せっかく赤沢の自然を楽しみに来園して頂いたのに残念でなりません。自然の中を解放しているのでこうした事が起こらないように以前からコース沿いに森林鉄道のレールで出来た熊よけの設置や「熊出没注意」などの看板を設置して林内に入る方に注意喚起して来ました。
 また、出没情報が寄せられると早朝職員が出て警戒する、園内の飲食店での残飯処理の徹底、人間が残した物がないかなど注意してきましたが、人身に係る事故が起こってしまった事は本当に残念です。
 昨年7月の豪雨の後に旧役場の近くの街の中心街をクマが歩いていたという事で警察や猟友会の皆さんが出動するという大騒ぎがありました。
 私自身もクマには何度か遭遇していますが、子連れの熊にも会った事があります。というか、姿は見えなかったですが、左手から仔犬の「キャン、キャン」という鳴き声が聞こえて来ました。「??何でこんな山の中に仔犬?」と思っていたら、右手側5mくらい先から低い地面から湧き起こるような「グ〜、グオ〜〜」という唸るような声が聞こえて来ました。瞬時に「クマだっ!」「親と子の間に入ってしまった。一番やばいよ」と心の中で叫び、自分の存在を示すため大声を出しながらそこを静かに後退していった記憶は今でも忘れる事は出来ません。
 後退して行った時に焦って木の股に足を挟んでしまい焦って抜けなかったことも鮮明に覚えています。
 また、もう一度の体験は山の峰に出た時に熊が先に気がつき、お尻を振って笹薮の中に入って行く成獣を7〜8mの所で見ましたが、隠れて一瞬で笹の葉はビクリとの揺れませんでした。同行していた息子が事態が読めず「今のクマ⁇」と言うので「ア〜そうだ。滅多に見れぬもの見たな」と子どもを怖がらせない様に去りましたが、クマの隠れる様子をまざまざと見ました。
 これから襲われた状況も明らかになると思いますが、今回のケースも隠れていた熊に襲われてしまったのではないでしょうか。
 7〜8月は熊にとっても山に食べ物が無い状況で、昨年もそうでしたが里に降りて来て畑や民家の蔵などに出没する時期です。どうか熊を近付けるようなものは屋外には置かない、山に入る時は熊よけの鈴を携帯するなどの注意をお願いします。
 今回の事を受けて今までの対策も含め関係機関と検討し再発防止に努めるとともに、こうした事案が発生した時の課題、問題点を緊急に検討してまいります。
 重ねて被害を受けられた方の一刻も早いご快癒をご祈念申し上げます。
△ツキノワグマ



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