治水と砂防の一日
26日、午前は大桑村役場で治水の学習会、午後は岐阜県中津川市文化会館で砂防の講演会と一日中治水砂防を学ぶ日となりました。
午前の治水では、『木曽地域治水対策協議会』が7月8日に設立されたことから木曽地域の治水の状況を学ぼうと開催されました。
大瀬木弘木曽建設事務所長から「木曽地域の河川について」、荻窪孝木曽建設事務所企画幹兼整備・建築課長さんから「王滝川日向淵における災害復旧工事についてと題して学習会が行われました。
△学習会の様子です。唐沢会長の挨拶
大瀬木所長さんからは県内の主要河川の状況、木曽川の水系図などの説明とともに、県内の河川整備計画策定状況の説明がありました。河川の維持管理では上松の諸原、瀬木地籍の事例などが紹介されました。
また、荻窪企画幹さんからは王滝村の王滝川で起きた道路の被災原因についてのメカニズム等の説明があり大変有意義な学習会となりました。
△学習会の講師上段大瀬木所長、下段荻窪企画幹
午後は中津川市で中津川市中津地区災害対策協議会が主催する『砂防講演会』に参加しました。中津川市では
当時“中津町”の時代に四ツ目川災害が起きてからちょうど90年を迎えるとの事です。市では昭和7年8月27日に起きた災害を後世に伝えるため『治山・砂防の日と』として定めて対策協議会がこの時期に講演会を開催しています。
中津川市で行われる事ではありますが、国の直轄砂防事業が行われているという点では私ども木曽地域の事業への先鞭を付けていただいたということで毎年木曽南部直轄砂防推進協議会の構成町村は参加させていただいています。
講演は『気象情報と防災』と題して気象予報士の藤原政幸さん、『四ツ目川災害から90年土砂災害の教訓を後世に伝える』と題して一般社団法人砂防フロンティア整備推進機構理事今井一之さんからご講演をいただきました。
藤原さんは大桑村のご出身で岐阜県で教員生活を平成26年まで務められ、最後は中津川市神坂中学校の校長先生を務められたとのことで、四つ目川災害が起きた時の気象状況などとともに各家庭で取り組める自主防災のためのペットボトルを利用した雨量計の活用など興味深い講演でした。
また今井一之さんは令和3年3月まで国土交通省の砂防部長を務められて退官し現在の職に就いていますが、以前には多治見砂防国道事務所の所長を務めています。
講演では四つ目川災害後の直轄砂防事業の遊砂工の整備など講演をいただきました。また、自助・共助・公助により住民避難が出来て人的被害を食い止めた[茅野市の事例などが紹介されました。
住民避難に向けての行政の『知らせる努力』、住民の『知る努力』など今後特に取り組むべき事についての方向性を改めて考える機会となりました。
△講師の藤原さん。
△今井一之理事の特別講演
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