里の春を彩る祭り(その2 若宮神社例祭)

大屋誠

2024年04月29日 06:47

 28日午前11時より島地区を中心とした西小川の祭礼である若宮神社例祭にお招きを頂きましたのでお参りさせて頂きました。
 神社に続く山道の参詣道は凄く急坂というわけではありませんが、距離が長く運動不足の身には毎年こたえます。特にこの日は気温29度に迫る暑さの中でしたのでひとしでした。
 それでも、森の中に入ると少し暑さも和らいだ感がありました。既に氏子の皆さんや若連の皆さん、来賓の皆さんが拝殿で御神酒を頂いており私も誘われるまま頂戴いたしました。
 昔の話に花が咲き、古老が話す話しはとても興味深く、先日の芸習いのブログで紹介した歌舞伎の芸題も演じられているのはごく一部だそうです。「怒り上戸、泣き上戸、笑い上戸」などは獅子も交えての狂言だそうですが是非とも見てみたいものです。
 古老は「今では私しか演じた事がなく、早く元気なうちに伝えて行きたい」と齢80才はとうに過ぎているとは思えない熱意が伝わって来る話に引き込まれます。
 程なくすると境内で獅子舞が始まりました。上松にはこの地区の他にも獅子舞が伝えられていますが、一番古く、途絶えた事がなく形がしっかりと残っていると聞いた事があります。
 『天の岩戸』、悪魔祓いの『十二文』、『八百屋お七』などが演じられ、最後はわざわざ急坂を登ってきた皆さんのお目当て『葛の葉』です。皆さん愛用のカメラ持参でシャッターチャンスを狙っていました。
△境内で演じられた獅子舞です。






 町の無形文化財でもある葛の葉は演じる人、というよりも演じる事が出来る人は限られているそうです。私の昔からの友人は獅子舞や段物はやるが、キツネ特有の爪先立ちが出来ず断念したと云ってました。
 今日演じたのは今は町外に出ていますが、この日は帰省しての奉納獅子です。
△葛の葉は母ギツネが正体が分かるため子どもと分かれる場面を演じます。子どもに寄り添う姿が何とも言えません。


△障子に文字を書いていきますが、獅子に筆に墨をつける役もその量によって滴り落ちたり、足りなくなってしまうと霞んでしまうなど重要だと教えてくれました。


△未来の伝統芸能を引き継ぐ子どもたちも加わって演じます。


△葛の葉の爪先は本当は指が内側に折れ込んで演じるそうですが、これは先述の古老の今や伝説です。


△最後にどう書いてあるのかを若い衆が面白く説明してくれます。


 この後直ぐに納めの神事が若連の皆さんで行いました。この神事は今までは本祭りの夜遅くにやっていたようですが、片付けなど若い人の負担が重くならないように配慮した結果早めたとのことでした。
 時代に合わせて様々に変わって行く事は次代に繋げて行く上でも大事なことと教わったお祭りでした。
 皆さんお疲れ様でした。
 最後に帰る道で上がってくる方がおられました。終わったと聞いてとても残念がっていました。来年は観光協会などに問い合わせてお越しください。