猟友会上松支部総会

大屋誠

2024年05月06日 07:40

 GWもあっという間に残すところ2日となった5月5日、午後から木曽猟友会上松支部通常総会があり、ご案内を頂いたので出席しました。
 猟友会の皆さんには有害鳥獣被害対策実施隊などで御協力を頂いています。クマの出没時などには緊急で出動して頂くことに加え、銃器を扱い時には襲われる危険性もあります。
 人口が少なくなり鳥獣への圧力が減る中で、年によっては山に主食となる木の実が不作の場合には人家近くに出没するケースがあります。
 人家に出没するや目撃情報が増えたことが即、個体数が増えたと考えることは出来ないと研究者の方に聞いた事があります。
 昨年、秋田県を中心とした東北地方で人が襲われた事件が多発したことは以前のブログでも紹介しましたが、人が生息地である山に山菜取り等で入ることによって起こる事件、エサとなる木の実などが無い時期や不作の年にエサを求めて人里に来て遭遇して起こす事件などケースは様々です。
 子連れのクマは一番危険である事は聞いた方もあると思いますが、私自身も実際に体験した事があります。と云ってもクマの姿は見え無かったのですが、逆にそれが一番危ないケースです。
 家族とキノコ取りに出かけて、人家が直ぐ近くにある場所に入ってキノコ取りに夢中になっていた時、左から20〜30メートルくらいの所から「キャン、キャン」という犬の鳴き声らしきものが聞こえました。『こんな山に子犬でも連れて来たのかな〜?』と思っていたところ、今度は反対の右から「グ〜!グ〜!」と地の底から響くような唸り声が聞こえて来ました。
 クマだ!と直感した私、しかも子連れ!芸人さんではありませんが、『ヤバいよ、ヤバいよ』と心で叫びながら同行した人の名前を大声で呼びながらその場を後にしようとしたところ、唸り声と犬の声はいつの間にか無くなっていました。
 慌てて去ろうとしたので、木の股に引っかかって抜けなくなり気はせくもののやっとの思いで抜いてすぐ近くの道路に出てきたという苦い思い出があります。
 姿を見てないからクマじゃなかったんじゃないと思う方もいると思いますが、何年か後になって同じような唸り声を聞いた時にはクマの黒光りするお尻をハッキリと見たので間違いではなかったようです。
 こうした体験を通じてみると、昼間であっても、近くに人家があっても、道路の近くであっても潜んでいる事があることが分かりました。またむやみに人を襲う事はなく警戒の唸り声を発する事で自分のテリトリーに入って来るなと言っているような気がする体験でした。
 昔の山伏や修験者が山に入る時に柏手をうち、錫杖という音のなる物を杖代わりに持っていたのも動物との接触を出来るだけ避ける意味があるのかもしれません。
 猟友会の会議のたびにそうした体験を思い出しますが、急にクマに遭遇した場合には『死んだマネ』は絶対やらない方が良いそうです。そして背中を見せて逃げても追って来て襲われるそうですので、じっと見ながら後退りするのが一番との事です。
 クマにとっては私たち人間は宇宙人のような存在で遭ったら怖くて襲ってしまうケースが多いのではないかと思います。
 ただ秋田県のようなケースは人を襲うことを憶えて人が食糧を持っているような事があれば学習能力の高いクマは再びそうした事件を起こす可能性が高まると専門家に聞いた事がありますのでそうした場合は対応しなければなりません。
 長野県はクマとの共生を通じて自然保護をするため、『お仕置き放獣』をして来ましたが、その方針を変えるのかが注目されています。
 猟友会の会合のたびにそんな体験を思い出します。
△大会の様子。挨拶する武居会長さん。



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