伊勢神宮三ツ紐切り保存会同行記
9日は雲ひとつ無い澄み切った青空の下、三ツ紐切り保存会の皆さんが伊勢において技術講習を行うという事で同行しました。
△途中、恵那SAで望む御嶽山
保存会はこれまでも伊勢神宮の神宮林でこうした講習会を行ってきており、その度に日程調整ができず残念でしたがようやく念願が叶いました。
今日は中津川市付知の裏木曽の保存会の皆さんと一緒の講習会で、木材を提供してくれる伊勢神宮のご配慮に心から感謝申し上げます。
この講習会は7年前と記憶していますが、当時の小松大宮司さんに御杣始祭を再度木曽上松、裏木曽の中津川でという事でお願いしてきた際に地元の熱意を伝えるために御杣始祭で用いられる伐倒方法の三ツ紐切り(三ツ緒切りともいう)を若い人が保存会を創って活動している事を伝えました。
その時、伊勢神宮備林を使って中津川市とともに講習会みたいなものが出来ればと話した事があり、それが伊勢の地で実現したものです。
伊勢の集合場所である土場に着きました。伊勢神宮所有の土場は一町步(3000坪、約9900㎡)という広い面積に財が積まれていました。木材は一般に売り出されているそうです。
△土場の様子
今日の実習地である神宮林は距離的には内宮のすぐ近くにありましたが、土場から30分程度かかる山中でした。
△始まりの会
いよいよ斧入れです。皆さんの斧(杣はヨキと云います)は刀の刃のような白光りした手入れのほどが伺える代物です。
△手入れした斧
△移動する時などは刃から安全を確保するため麻で作られた保護用に編んだものを被せます。
今日は杣頭を中心に4班に分かれての実技です。杣頭、前回もやっている方の斧の入れ方は流石というか腰の入り方が違います。
△少しずつ斧が入ります。
下段の写真は同行した町職員です。未来のソマになれる?
一時間と少し経過してようやく三方からの穴が通じるようになりました。
△空いた様子
杣頭が伐倒方向を最終的に確認して追いヅルを切る準備に入ります。
「大山の神〜左ヨキ横山一本寝るぞ〜!いよいよ寝るぞ〜」の声とともに追いヅルを切ります。
△寝かせられるひのき
御神木は敬う念を込めて切る、伐るという言葉ではなく『寝る』と云います。昔の人の自然に対する気持ちが表れている言葉だと思います。
明日も実技が続きます。怪我の無いように安全に当初の目的を達成してください。
私は外宮周辺で開催されている“伊勢楽市”に出店している上松ブースを周り以前お世話になった高崎町の商人館を訪れる予定です。