上松の夏2019(その5 最終編)

大屋誠

2019年08月18日 10:29

8月に入って 8、9、10号と3つの台風に席巻され、一方では熱中症への警戒が連日のように報道されたこの夏も終わりを告げようとしていますが、まだまだ残暑は厳しいようです。
日本人にとって夏という季節は、終戦記念日、高校野球などの行事やイベント、他界した親や可愛がってくれた祖父母、親戚の人を懐かしみ、帰省した知人友人との久し振りの再会に喜ぶなど記憶や自分の原点を振り返る意味で他の季節には無いものがあると思います。
私も毎年の墓参りに加え、今年は新盆があったためお世話になった皆さんがお参りに来て頂いたため懐かしい話に花が咲きました。故人の私が知らなかった交友関係などを聞くにつけて人との繋がりの有難さや縁を感じさせてくれます。
そんな日本らしい夏の風物詩がいつまでも続く事を願うものですが、最近の新聞を見て少し感じたことがあります。新聞で必ず読むのはお悔やみ欄ですが、最近は「家族葬で行いました」などの割合が多くなってきているという事は多くの皆さんが感じていると思います。
絆の重要性が地震や豪雨災害で被災された地域では言われていますし、都会でも孤独死の問題が大きくなって来ています。人と人との繋がりが今の人間社会を築いて来た事は言うまでもありません。夏という季節はそんな人との繋がりを考えさせてくれる季節なのかもしれません。
16日、仏教では先祖の霊を送る“送り火”の日、夕食の後、家族でくつろいでいる時、玄関でガタと音がしたような気がして今頃誰だろうと思い、「はい〜」と言って出たところ誰も居ませんでした。隣にいた息子も聞いたみたいでした。猫の仕業とも思いましたが、『きっと、亡くなった皆んなが挨拶に来たのか』と思い、怖いというよりも温かいものを感じる事が出来ました。

△送り火






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