人を動かす一番短い言葉
最近のコロナ禍、頻発する自然災害下において『危機管理』の言葉が目につき、聞くことが多くなりました。
危機管理とは「すでに起こってしまったトラブルに関して、事態がそれ以上に悪化しない様に状況を管理すること」だそうです。
また、似たような用語に「リスク管理」という言葉がありますが、これは「これから起こる可能性がある危機・危険に備えておくこと」と定義されています。
すでに起こっているコロナは前者で、予想されている東海沖地震などは後者ということになると思います。
昔からそうした非常事態への対応するために伝えられて来た言葉があります。私が今までで覚えている中で一番短い言葉で表したのは『いざ鎌倉!』だと思います。
御恩と奉公の武士の世界で主従関係で結ばれたものですので、現代にはそのままでは合わないと思いますが、危機に際して取り敢えず直ぐに駆けつけるということを表したものとすればあながち的外れとも言えないと思います。
鎌倉時代、北条時頼の時代に『鉢の木』という逸話が残っています。
貧しい武家の家に僧侶が訪ねて来て一夜の宿を頼み、その家の主人が焚く木が無くなって大事にしていた鉢に植えられた木を燃やしてもてなし、「私も没落しているがいざ鎌倉という時はまず真っ先に駆け付ける」と僧侶に話しました。
その後、いざ鎌倉!との号令がかかり、その武士は真っ先に駆けつけて執権の北条時頼に面会した時、もてなした僧侶が時頼で、その功により御家の所領が安堵されたという有名な逸話です。
これはある意味、信頼関係があってこその危機管理と思います。短い言葉でも十分に伝える事があると思います。
昨年の危機管理の研修会で危機の時、首長自らが放送をする事が重要との事で、危機には落ち着いた行動を促すために喋るスピードをゆっくり目に話していたら指導者から「それはダメ、もっと切迫感を持って、逃げろ〜とにかく逃げろ〜くらいの気持ちが入っていないと」ダメ出しされたのを思い出します。
東北大震災や大規模な災害が頻発する中で、私も日々短い言葉で伝えるシミュレーションしておく必要があると感じています。
△武者の像(足利尊氏と昔は教えて頂きました)
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