2023年08月31日

砂防を学ぶ(その1 岐阜県中津川市 四つ目川災害)

 8月26日から8月30日にかけて砂防の講演会、総会が続けて3日ありましたので3回に分けてお伝えします。
 8月26日土曜日に中津川市東濃ふれあいセンターで中津地区災害対策協議会主催の砂防講演会があり出席しました。
 中津川市中津地区は中津川駅周辺の地域といった方が分かりやすいかもしれませんが、市の中心部でお店なども多く、ショッピングを楽しむ方も多い繁華街です。
 この地区を土石流を襲ったのは、今から遡ること91年前の8月26日ということで、この地域ではこの災害の記憶を後世に伝えるべく毎年この日に講演会やパネルディスカッションなど記念イベントを行なっています。
 この災害により死傷者26人、家屋全半壊約370戸という大きな被害が出ました。
 上松町は木曽南部直轄砂防推進協議会で活動していますが、現在の木曽地域における直轄砂防のルーツとも云えるのが、この四つ目川災害なのです。
 この災害を後世に伝えようと当時の映画ニュースが残っており、その凄まじいパワーを映像から感じました。
△一コマです。上に蒸気機関車の煙突が見えます。


 中津川駅に停めてあった汽車も無残に埋まってしまうなど大変な災害で当時は今の様な資機材が無いので疲れ果てた住民が手作業で片付けているのを見てその苦労が偲ばれます。
 先に、この災害が木曽の南部直轄砂防に大きな影響を与えたと云いましたが、実はこの土石流の源となったのは木曽山脈の最南端に位置する恵那山の前山の崩壊だったとの事でこの災害の後に国が調査を行った結果、木曽南部も同様の地層で危険であるとの事で国が直接工事を行う直轄砂防事業となったとの事です。
 当町においては平成元年に滑川砂防第一堰堤が完成した直後の同年7月に50年は大丈夫と謳われた当時東洋一のダムが一夜にして埋まったという事がありました。
 完成までに10年の歳月を要しており、もし完成していなかったら四つ目川の91年前の姿が上松にもあったのかもしれません。
 中津地区のみなさんが非常に熱心にこの災害を忘れまいと活動している事に敬意を表するとともに、共にスクラムを組んで活動をしていきたいと思いました。
△青山中津川長さんの挨拶






  
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Posted by 大屋誠 at 15:39Comments(0)