2017年10月28日

伊勢神宮斧入れ式

本日、伊勢神宮の最大の祭事である式年遷宮に向けて斧入れ式が挙行されました。伝統的な三つ緒切り(みつおぎり*三つ紐[みつひも]切りともいいます)により樹齢約300年の天然檜が杣夫(そまふ)の斧により倒されました。

杣夫は、倒すに当たって「 切る」という表現を使わず「寝る」という言葉で表現します。これは、数百年に亘って育ってきた巨木への畏敬の念を込めて表わしているとのことです。

小松大宮司様他、伊勢や全国の神宮関係者、林野庁、県、地元関係者、そして一般の崇敬者の皆さんなど多数の方が参列されて古式にのっとり祭事が進められました。

最初に斧を入れてから50分、樹高二十八メートル、胸高58センチメートルの巨木がギギ〜〜、ドーンと寝ると会場の皆さんが思わず歓声をあげ、一斉に拍手が上がりました。

式年遷宮に伴う御杣始祭が八年後に行われると思いますが、正式な御用材が何処から送ることになるか皇室で正式に決定するのはまだ先の事ですが、地元の皆さんの熱い気持ちを伝えていくことが一番大事だと考えます。

11月3日には、そうした想いを乗せて上松駅前を中心に今回伐り出されたヒノキにより"お木曳き"が神楽先導により本番さながらに行われます。当日参加も可能ですので、気分を味わってはいかがでしょうか?

(標高1,000mを超える灰沢地籍に設けられた会場)



(樹齢約300年と資料に有りましたが、杣夫の方が年輪を数えたら400年以上あったそうです。キメが細かく正確には数えられなかったようです。)



(斧入れ式祭事を待つ斧*ヨキとも云います)





(小松大宮司の玉串奉奠)

(杣夫の斧入れ神事)



(いよいよ斧入れ本番です。古式にのっとり三回幹を叩きます。動物がそこに居ないか確認します。これも山の神を敬う儀式です。)



(杣頭の斧入れ)



(三人の杣夫が3方から斧を入れていきます。)



(だいぶ進んできました。杣頭の技は流石で振り下ろす斧がブレません。杣人は右も左も同じように振り下ろす技術が求められます。)



(三方向から通じました。慎重に最後の仕上げの点検をします。)



(杣頭の「大山の神〜〜左斧(ヨキ)一本寝るぞ〜〜」、「いよいよ寝るぞ〜〜」の声が山に響きます)


(最後に追い弦を切ります)


(400年この地で育ったヒノキがギギ〜と音を立て倒されました。)



(古式にのっとり、一番上の枝を持ってきて株の上に乗せ「株祭り」をし、頂いた材を大事にする事を奉告します。)









  
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Posted by 大屋誠 at 18:00Comments(1)