2023年12月03日

あの二十年前の感激再び(悠久の森から伊勢への道)

 29日、木曽悠久の森管理委員会が開催されました。
 当日、8時時半に木曽森林管理署に集合した委員が集合しました。
△中部森林管理局の挨拶

 
 今日の委員会の主な目的は、再来年の令和7年6月に予定されている伊勢神宮式年遷宮御杣始祭に使われる特殊用材について悠久の森から伐り出す事を委員会として認めるかどうかの大事な一日となります。
 この日は朝方とても寒く、時間が経つにつれて暖かくなると思ったら逆に冷え込むような感じでした。現地に着くと一帯が鬱蒼とした木曽ひのきが立っていました。
△現地に向かう委員さん


 伊勢神宮から表木曽の木曽森林管理署、裏木曽の東濃森林管理署のそれぞれに再来年の伊勢神宮式年遷宮の御杣始祭に御神木として伐り出す事に依頼がありました。それ受けて候補木を調査した結果の説明が森林管理署からあり、その後、伊勢神宮松永営林部長さんから、二本の木が倒れた時に襷掛けにならなければならない、伊勢神宮に流れる五十鈴川の様に清冽な水がある所でないとならないなど古式の伝統に沿った条件の説明がありました。
△候補木




 資料では二百数十年と書いてありますが、これは昔の調査での推定であり、実際は300年を超えているのではないかとのことでした。
 候補木を伐る時に支障となる木や主催者、来賓の桟敷席を作るのに支障となる木の一本一本について説明を受けました。今回は出来る限り支障木を少なく設定したとの説明を受けました。
 委員からは「伐採した後、年輪を測り今後の研究に役立てる考えは?」などの質問がありました。この候補木選定までに要した箇所は約50箇所を調査したそうです。
△郷原木曽森林管理署長さんの説明


 午後、署に戻り悠久の森委員会の合同部会と委員会が行われました。委員からは「全体の大径木の調査を」、「悠久の森は国民的行事を除外しているが、国民的行事の基準を明確にされたい」などの意見がありましたが、裏木曽の御用材も含めて全員の賛成で特殊用材(御神木)として切り出す事を委員会として認めることで決定しました。
 この後は中部森林管理局長の決定が最終的なものとなりますが大きな一歩を踏み出すことができました。
 町民の皆さんからは「早く決まって欲しい」、「まだ決まらないのか」などの声や強い要望もあっただけに私も肩の荷が降りた気がしました。
 伊勢神宮の正式決定には再来年の春に天皇陛下の御裁可である“御治定”(ごじじょう)で「木曽上松を御杣山とする」というもので正式に決定しますが、準備は今回の悠久の森委員会の決定により大きく進むことになります。
 二十年という時を経て再び伊勢神宮へ上松の地でともに生きて来た木曽檜をお送りする事は大変嬉しく思いますし、これを機に木曽地域全体の観光の再興、伝統・歴史文化を発信することに繋がれば大変意義深いものとなります。
 約1200年続いている伊勢神宮式年遷宮は我が国の匠の技能を師匠から弟子へ継承する催事でもあり、室町後期から戦国時代、安土桃山時代の百年間催行出来ず、織田信長が復活したという歴史を見れば平和を願う祭事ともいえます。
 これから本格的な準備が観光協会や伊勢神宮奉賛会などが中心となって動き出します。行政としてはこれを契機とした周辺環境の整備などに努めて参りたいと考えておりますので、皆さんの更なるご理解とご協力をお願いします。
△こんな風景が再び



  
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Posted by 大屋誠 at 16:10Comments(0)