2019年10月24日

治水の願い(中部地方治水大会)

23日静岡市で中部地方治水大会が開催され出席しました。折も折、先の台風19号による全国各地の被害の記憶が生々しく残っており、毎年持ち回りで行われる大会ですが、参加した市町村長、国土交通省の皆さんも一層熱が入った意見交換の場となりました。
近年、頻発する自然災害が激化し、広範囲で起こっている現状を見て、新たな時代に我々は突入しているという声も現実的で大袈裟ではなくなって来ています。
大会基調講演ではNHK静岡放送局の横尾泰輔放送部副部長から「災害から身を守る情報とは」と題した講演がありました。

△基調講演の横尾講師です。NHK本局にいた時に東北大震災の発生直後の放送を担当したそうです。
治水の願い(中部地方治水大会)



当時、手順どおりアナウンサーとして繰り返して避難を呼びかけたそうですが、津波到達まで時間的余裕がある中で救えなかったという思いを今でも持っているそうです。
当時の津波の放送をビデオで振り返り、「送り手と受け手の思いの違いをどう埋めていくのかが問われている」との事でした。
当時、NHKは国会中継をしていて、発災直後から緊急放送に切り替えたものの、大津波警報が出される中、気象庁の情報更新が24分間更新されなかった事、東京のビル火災を中心に画面に流していた事、2年前のチリでの地震で沿岸に大津波警報が出ていた時も被害が出なかった事の記憶などの要因で多くの犠牲者が生まれたとの話がありました。
そうした事を受けて5つの事を指摘されました。
① インパクトのある呼びかけが必要。当事者意識を持たない人には無意味だということ
②発表情報、数値への解釈の付加「3mは背丈の2倍」
③リアルな事例を盛り込んだ呼びかけ
④避難行動の段階的なアプローチ「避難しない高齢者にまず外に出てください。と呼びかける」など
⑤津波映像の具体的実況描写と普遍化
などを訴え、「住民が分かるローカルかつ具体的な呼びかけ」が必要との事でした。
最後に「私は情報の重みを伝えて行きたい」と講演を締めくくりました。
防災は事前のハード対策、そして住民へのハザードマップの周知などのソフト対策が必要と言われていますが、加えていざ起こった時の情報伝達などの対応を検討していく必要があると国でも近年の多発する災害対応で重要視されて来ています。

大会で静岡県牧之原市杉本基久雄市長、伊豆の国市小野登志子から意見発表がありました。小野市長は伊勢湾台風の2年前の昭和33年9月に起こった後に「狩野川台風」と呼ばれた大災害の際の自らの体験を語り、二度と起こさないためにも「語り部」として子供たちに伝えていくと話しておられました。
意見交換の場で小野市長は「私の責任で犠牲者が出たら私は職を辞す」という事を言っていたのが自らの体験を繋いでいく強い意志を感じ心に響きました。

△小野伊豆の国市長
治水の願い(中部地方治水大会)





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Posted by 大屋誠 at 12:01│Comments(0)上松町
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