2020年01月17日

法話と地域づくり(県町村会講演より)

 16日、県町村会が東京で行われ出席しました。その中で京都華厳寺の住職の桂紹寿さんから「現在の寺院経営」と題した講演を受講しました。
 まあお坊さんの話ですので、堅苦しい様な内容で、午後の昼食後なので眠りたくなるんだろうと思いながらお聞きすると徐々に引き込まれていきました。内容を全てお伝えできればと思いますが、毎度のこと拙文で語彙力が無いのでさわりだけお伝えします。
 華厳寺は別名鈴虫寺ともいわれ、年中、鈴虫が鳴く寺として知られているお寺さんで、元々が檀家さんを持たないお寺さんだったとの事です。
 全国でお寺さんの数は77,206あるそうで、それらを区分すると大きく3つに分けられるそうです。一つは多くのお寺が属する檀家を持つお寺さん、二つ目は重要文化財や有名な庭を持つ観光寺、そして大本山というものだそうです。
 檀家を持つ寺と大本山はいわばフランチャイズ制の関係だという事です。檀家制度は江戸時代から出来て、それ以前は小さなお寺は地域の人によって守られ、大きなお寺は為政者の庇護によって守られて来たとの歴史の話もありました。
 最近、深刻な問題として「墓終い」(はかじまい)が起こっているとの事で、地方では檀家が減り、都会では微増かもしくは現状維持だそうです。
 家族葬が流行っているが、それはもう流行遅れだそうで“直葬”が叙々に多くなってきているそうです。葬儀も挙げず、すぐに火葬場に直行するものですが法律で亡くなってから時間の制約もあり取り敢えず遺体を置いていく場所を提供するという事で数千円で終わるんだそうです。
 お寺さんを維持していく為には最低200軒くらいの檀家さんがないと守っていけないとの話で、そうした中で観光に生きることを求める観光寺が出てきたり、イベントとして寺カフェ、お見合いパーティーを主催するお寺が出てきたとの事でした。
 また有名なお寺さんでも夜にライトアップするというようなことをやっている。
 お寺にも事情があり、ある大本山のお寺では庭の清掃だけで月2,000万円もかかるという事を聞いたとぶっちゃけたお話もありました。
 また最近ではA iを使った法話をやっているところも出て来ていると最新のお寺事情にも話が及びました。
 観光で多くの方が参詣するお寺では手を合わせてお参りする姿を見ることはほとんど無いという事や信仰心が薄れて来て、合理的な考えが全てという風潮があると指摘し、そうした時代が進み心の拠り所を失い、自殺者が増え、一方では危険な思想に心酔する若者がいた結果、オーム真理教の様な事件が引き起こされた。
 華厳寺は観光で呼ぶものもなく、檀家を持たない代わりに法話で人が多く立ち寄ってくれているそうで、多い人は30回、40回とリピーターで来てくれているそうです。また、リピーター率が非常に多く9割方だそうです。
 計画を持ってやるというよりも、目の前のことをしっかりとやる事が大事、結果は付いてくるという話は私どもの行政の進め方とはある意味で逆の考えですが、何か惹きつけられる講演でした。
 文章で表現すると穏やかな口調で時にウイットに富んだ話もあり、全ての事を伝えられないのが残念です。
 私も悩みがあったりしたら、京都に行き再度法話を聞いてみたいと思いました。

△桂住職さんです。檀家は持たないと言っていましたが、実際は現在10軒ほどあるそうです。
法話と地域づくり(県町村会講演より)



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Posted by 大屋誠 at 09:48│Comments(0)上松町
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