2020年03月12日

御解き放ち

 朝刊に森法務大臣の答弁を巡る記事が掲載されていました。その全てを承知していないので、ここで申し述べることは控えさせて頂く。
 ただ、記事の下りに「(東北大震災の時)福島県いわき市の検察官が容疑者を理由なく釈放し、逃げた」というものがあった。その事実関係についてはこれも承知していないので、いろいろ話すことは適当でないと思う。
 そこは、ちょっと横において、江戸時代の時代劇に火事を題材にしたものがある。伝馬町牢屋敷に入れられた囚人が次第に火が近づくにつれて“御解き放ち”という事で3日後に必ず戻って来ることを約して牢から出すということが、「大岡越前」などに出て来るのは時代劇好きな人なら見たことがあると思います。
 こうした事実は実際に起こった明暦『振り袖火事』に牢奉行の石出帯刀が御法によらず独断でやったという史実が残っている。人の命がかかる緊急事態での判断として、慣習や掟に縛られた時代において凄い人がいたと感心する。
 時代は下り、明治に入ると罪を犯した囚人が入れられる監獄の規定を定める”監獄法“という法律がある。監獄法には緊急事態に署長の判断で囚人を監獄から出す事ができるという規定があったようである。
 今回の記事でそうした事の法整備はどうなったのか気にかかる。どういう流れで法務大臣が答弁したのかも気にかかるが、もし、そうしたことに遭遇した時に対処できる法的整備が出来ていないとすれば早急に整備すべきでそっちの方が本当は議論すべきだと思う。
 そんな事を考える時、第二次世界大戦時にユダヤ人の命を助ける行動として、不眠不休でパスポートを発券した外交官の杉原千畝が思い出される。
 緊急の時に人としてなすべき事が何かを考えさせられる記事でした。
   
  • LINEで送る


Posted by 大屋誠 at 16:54Comments(0)上松町