2018年04月30日

上松の春祭り(その2 若宮神社例祭)

29日、若宮神社の例祭が行われお参りさせていただきました。若宮神社の氏子の団体の「小川里若連」には、町の無形文化財に指定されている獅子狂言"葛の葉"が継承されています。
北野地籍の参詣道を登った山腹に若宮神社はあります。普段は閑静な林の中に鎮まっていますが、この日ばかりは氏子の皆さんや獅子狂言をシャッターに収めようとするカメラマンが多くみえて賑やかな雰囲気となっていました。
若宮神社は6社ある町の神社の中でも起源が古いと伝えられ、毎年5月3日に行われる駒ケ岳神社とも縁が深いと伝えられています。過去には、木曽川を渡って"お神楽"を駒ケ岳神社まで担ぎ上げたという事も伝えられています。
獅子狂言の"葛の葉"は陰陽師で知られる安倍晴明にまつわる話です。安倍晴明は超人的な能力を有していたため、父である安倍保名と彼が助けた狐との間に生まれたという説があります。
狐が化けた娘"葛の葉姫"の父が娘に会いに来るという事を夫の保名から伝えられ、娘でない事が分かってしまうと云う事で、生まれた赤ちゃん(晴明)との別れを演じるものです。
この獅子狂言は過去には、三河地方や岐阜県でも演じられたという事を聞いた事がありますが、演じる内容が難しいため現在残っているのは、ここだけという貴重なものです。
小川里若連にはこれ以外にも獅子が女形を演じる忠臣蔵のいわゆる段物や他の芸題(げだい)も伝えられていますが、化粧や歌舞伎の綺羅を着けずに演じるのが特徴です。
獅子が各戸を周って行う悪魔祓いの際にその家の部屋で演じるため、お座敷芸として今でも伝えられています。娯楽が少なかった時代の里人の大きな楽しみであったと思います。
全国の何処でも伝えることが難しくなって来た伝統的な祭りですが、小川里若連では女性の加入も認めています。私が「認めるには大変であったのでしょうね?」と尋ねると「子供の頃から女の子も一緒にやっとたから、認めるのは難しくなかったよ」とお酒が入った顔で笑っていました。
ダーウインの「強いものが残るのでない、賢いものが残るのでない、変われるものが残る」という言葉を思い出し、地域の皆さんの逞しさを感じました。
▽参道




▽獅子奉納


▽宮司神事


▽葛の葉
*本性は狐である為、普通の文字で表すことが出来ません。我が子への思いを獅子頭の口に筆を咥えて最初の2行は普通に、そして裏逆さ文字、裏横文字などで書いて行きます。




▽北野阿弥陀堂での獅子奉納(この頃は暗くなって来ました。


▽氏子の家のお座敷











  
  • LINEで送る


Posted by 大屋誠 at 09:04Comments(0)プライベート