2020年05月05日

出口

 国では緊急事態宣言を今月末の31日まで延長することを決めました。感染拡大、経済的、社会的な分野で都市圏のみならず地方までその影響が拡がりを見せています。
 昨日、家の横を走る鉄道の特急列車が通過する際、乗車している人の様子が目に入って来ました。ゴールデンウィークを当て込んだとみられるいつもより多い特別編成の8両編成の列車に乗車していたのは一人だけしか確認できませんでした。まさに貸切状態。

 国や県が呼びかけている都道府県を跨いでの不要不急な外出の自粛の呼びかけに国民が応じた結果のヒトコマと見えました。一方では、いまだに営業を続けるパチンコ店に列をなす人、首都高に改造車を運転し集まる若者のルーレット族などが報道で流されています。

 営業を続けるパチンコ店では店側の責任を追及する報道が主でそれも当然で致し方無いものと思いますが、列をなしている利用客の側にギャンブル依存症という問題も深く関わっている事も忘れてはならないと思います。こうした事はある程度予想出来たことと思います。

 国は緊急事態宣言の延長を決めましたが、数値をいくつか挙げて出口をはっきりとそろそろ明示していく段階に入って来ているのではと思います。解除する時に明示するとは思いますが、今こういう数値だからこれを目指して下さいというメッセージが必要なのではないでしょうか。
 
 全てのコロナウイルスが無くなるというのはあり得ない話ですが、感染症学において集団免疫という考えがあります。これは多くの人が免疫を持つことで通常の社会的活動を始めても影響を抑制できるというもので、ドイツなどヨーロッパでは既にその段階に入って来ていると言われています。
 なぜ、日本ではそれが出来ないのかと言えば、一言で言えばPCR検査の絶対数が不足している現状があるからだと私はクルーズ船の時以来ずっと思っています。
 母数が正しいかどうか分からないのに、答えは自ずから出てこないのは自明の理です。今からでは遅きに失した感もありますが、出口を探るにも一刻も早く検査体制を再構築していかなければならないと考えます。また、感染者一人が何人に移すかの実効再生数も一つの指標となるんだと思います。
 その様な数値を組み合わせてこの条件を満たせば解除するといった方針を専門家が明確にし、政治家が決断する事で光が見えてくると思います。
 今までも毎年、既知の様々なインフルエンザにおいても世界で数十万の方々が亡くなっている現状も見据えながら、今回の新型コロナに対して難しい判断をすべき時期がいつ来るのか国の動きに注目したいと思います。
   
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Posted by 大屋誠 at 09:41Comments(0)